看護師の転職状況

1.変化する就業環境
看護師の求人は、今まさに売り手市場。慢性的な人手不足といわれる中、看護師の需要はますます高くなっているのが現状です。
しかし一方で、看護師の仕事内容に変化が起きているのも事実です。
例えば、2008年の医療法の改正により、医療機関の診療科の表記方法が変更されました。医療の専門化が進む中、「患者が自分の病状にあった適切な医療機関を選択できるよう」定められた支援策です。
これにより、「内科」「外科」などという単独で標榜できる診療科名に加え、?臓器や身体の部位、?診療方法、?病状・疾患、?患者の特性などの属性を組み合わせて標榜される診療科も多くなりました。
大学病院や規模の大きい総合病院では、このような表記をするところが増加し、それに伴い、看護師にはより専門化・細分化された高度な知識と技術が必要とされているのです。

さらに一方で、高齢化社会に突入した日本では、介護関係の仕事も急増しています。
少子高齢化が進むにつれ、増加した高齢者をケアすることのできる人材が求められています。
今後の看護師の仕事は、医療補助だけでなく、介護がメインになってくるかもしれません。病院だけでなく、介護施設や老健施設などでの就業機会もますます増えてくるでしょう。

2.大病院の現状は
また一方で、2006年診療報酬改定での、「7対1入院基本料」の新設も、看護師不足に大きな影響を与えています。
「7対1入院基本料」とは、入院患者1人につき何人の看護職員を設置するかによって、入院基本料が変わってくるというものです。
「7対1」とは、患者さん1人に対して看護職員が7人体制という意味ですから、「10対1」「13対1」「15対1」などに比べて、患者は手厚い看護が受けられますし、そうしたサービスを提供できる病院も、高い報酬を得られるしくみになっています。
例えば、患者さん1人が一般病棟に1日入院した場合、「7対1」病院の入院基本料は155550円ですが、「15対1」病院の入院基本料は9340円で、その差が6210円もあるのです。
こうした現状から、多くの病院が高い入院基本料を得ようと「7対1」体制を目指し、看護師の求人強化を図っています。特に国公立を含めた総合病院では、4月入職の募集が多いので、自分の適正に合った職場をより幅広く探すにはよい時期でしょう。

3.中小・地方病院での求人
大病院の求人に押され、中小病院や地方の病院では深刻な看護師不足であるのが現状です。
こうした病院では、病棟を閉鎖しベッド数(入院患者)を減らすことで「7対1」の条件クリアを図るなど、対応に追われていますが、たくさんのベッド数を持ち、そうした対応が追いつかない病院では、慢性的な看護師不足に陥っているところも多いのです。

4.自分に合った職場への転職を
看護師の転職は売り手市場で、膨大な情報があふれかえっています。だからこそ、転職の際には「自分に合った職場」とはなにか、ポイントを絞って探すことが大切です。
大病院では、より専門的かつ最先端の医療を学べる機会があります。一方、中小病院では、診療科が細分化していないため、幅広い領域の医療に携わることができ、幅広いスキルを得ることができます。
また看護師自体を辞めたいと考えることもあるでしょう。
とくにICUやERなどはエマジコールも多く精神的にも肉体的にもキツイ部門であるため、配属された新人看護師の多くはかなりの確率で看護師を辞めたいと思うようです。
そういった場合は、看護師の資格を活かせる病院以外の道を選ぶのも一つの手です。
例えば治験コーディネーターであったり、老健、老人ホーム、イベントナースなどをやってみてはいかがでしょうか。
自分の人生設計や生活スタイルに照らし合わせて、賢い転職をしましょう。